intro of 2026


2026も上旬が過ぎましたが本年もよろしくおねがいします。 いかがお過ごしですか? 私は年末年始はある意味でデジタルデトックスに過ごしましたが、ふとターミナル端末があると便利だと思い始めた。 以前からN150みたいなミニPCで自動化処理だけやるマシンをUbuntuで組むか、など考えていたのですが、そもそもバイブコーディングは、端末を選ばない。 少なくとも理屈の上では。

だったら、ミニPCより少し古いマシンでもいいんじゃないか、と思った。 むしろ、その方が面白いかもしれない、と。

MacBook Pro 2015。 これは「余っていた」わけではない。 昔使っていた筐体で、サイズ感もキーボードも気に入っていた。

一度、ヨットで酔って、水没させてしまった。 そのときはさすがに諦めたけれど、 なぜかずっと記憶に残っているマシンだった。

10年前の機種だけど、 Linuxを入れてターミナル中心の端末にするなら、 今でも十分使えるはずだ。

そう思って、改めて調達した。

もう一つ理由があった。

今なら、端末構築そのものをAIと一緒にやれるんじゃないか、という期待だ。

2015のMacbook ProのmacOSはとっくにサポートが切れている。 ならLinux一択。 Ubuntuベースでいこう、とは最初から決めていた。

ディストリビューションはPop!_OS。 Ubuntuでいいだろうと思っていたら、 Geminiにやたらと激推しされたのが決め手になった。

最新版の24.04。 これでいけるはずだった。

……いけなかった。

GPUまわりが噛み合わない。 起動しない。 ログだけが溜まっていく。

結局、LTSの22.04に切り替えた。 新しいものが正しいとは限らない、という 当たり前の判断を、ちゃんとやり直す。

それでも、すんなりとはいかない。

インストールはできる。 でも、起動するとファイルシステムがRead-onlyになる。 書けない。 保存できない。

ディスクは壊れていない。 fsckも通る。 それでもOSは黙り込む。

Live USBから入って、 fstabを触って、 initramfsを焼き直す。

Mac特有のNVRAMと、Linuxのブート周り。 文化の違う二つが、微妙なところで衝突していた。

論理的に、下へ下へと降りていくしかない。

再起動したら、ようやく立ち上がった。

ただし、これは応急処置でしかなかった。

Claude Codeを入れて、 さらにGeminiも試したら、 今度はAMDのドライバーが噛み合わなくなって、GUIが起動しなくなる。

また、下に降りる。

ドライバー。 カーネル。 ブート。

同じコマンドを何度も打たされるうちに、 fstabの書き方も、だんだん怖くなくなってきた。

本来、サーバなら絶対にこんなことはしない。 だからこそ、今はできる。

この作業を通して感じたのは、 知識が増えた、というより、 発想が止まらなくなったことだった。

仕組みがまったく分からないと、 「こんな使い方できないかな?」 という考えが、途中で止まる。

壊れそう。 戻せなさそう。 触っちゃいけない気がする。

でも、 どの層で何が起きているかが、うっすら見えていると、 そのブレーキが外れる。

これは壊れるやつか。 これは戻れるやつか。 最悪、今日はなかったことにすればいいか。

そう判断できるだけで、 アイデアは頭の中で死なずに済む。

インターネットも、AIも、 今は魔法みたいに使えてしまう。

仕組みを知らなくても、 お願いすれば動く。

それは正しい進化だと思う。

ただ、 魔術を受け取る側と、 魔術を作り出す側は、やっぱり違う。

タネと仕掛けを一度でも覗いたことがあるかどうかで、 発想の自由度が変わる。

限界を知らない方が、 突飛な発想が出ることもある。 それも確かに強い。

でも、 知っていることと、 そこに囚われることは別だ。

今、この文章を書いているのも、その端末だ。 裏では、ClaudeがVPSを粛々と整備してくれている。

AIがOSになろうとしている今、 操作のレイヤーはどんどん上がっていく。

その分、 下の階層は見えなくなりかけている。

でも、 そこを一度触っておくと、 壊れなくなるわけじゃないけど、 壊れたときに焦らなくて済む。

そして何より、 「こんな使い方できないかな?」 という発想を、 おっかなびっくり潰さなくて済む。

なかなか、良いおもちゃを手に入れたと思っている。

壊してもいい。 直せばいい。

なにしろ今は、 隣に詳しいAIがいてくれる。

Intel Macの豪快なファンの音を聞きながら、そんなことを考えている。